犯罪の被害にあった人やご遺族は、命を奪われる、ケガをする、物を盗まれるなどの生命、身体、財産上の直接的な被害だけでなく、被害後に生じる様々な問題に苦しめられることがあります。このような問題は、総じて「二次的被害」と言われています。
事件にあったことによる精神的ショックや心身の不調
医療費の負担、失職・転職などによる経済的困窮
捜査や裁判の過程における精神的・時間的負担
周囲の人たちのうわさ話や、マスコミの取材・報道によるストレス、不快感
他の人から見れば、しっかり落ち着いているようでも、感覚がマヒして現実感を失っている場合もあります。
これらのことは異常なことではなく、突然大きなショックを受けた後では、誰にでも起こりえる、ごく正常なことですので、時間がたつにつれて、和らいでいきます。
ただし、1か月程度たっても、こうした心理状態で苦しんでいたり、生活に支障が出ているときには、医療機関を受診したり、相談機関に相談することをおすすめします。
心理的反応
恐怖感、不安感、孤独感、罪悪感、自責感、絶望感、疎外感、無気力、怒り、復しゅう心など
身体的反応
緊張、動悸、息苦しさ、頭痛、肩こり、手足のだるさ、胃もたれ、吐き気、下痢、便秘、不眠、悪夢、食欲不振、イライラ、興奮、取り乱す、閉じこもり、飲酒や喫煙の増加、生活が不規則になるなど
感覚的反応
感覚や感情のマヒ、現実だという感覚がない、自分が自分でないように感じる、集中力・記憶力・判断力の低下、その時の光景が何度も思い浮かぶ、何度も夢に見るなど